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超微細相互作用で制御された磁壁移動の実時間、実空間観察

近年、磁気ドメインを制御し、ホストとなる物質中を伝搬させる実験手法が多く見つかっている。パフォーマンスを向上させる新しいロジックやメモリーデバイスを可能にするために、磁気ドメインを空間的に操作する理論的な方法もいくつか考案されている。ドメインの運動に関する物理を理解しようと努力することで、ドメインを駆動するのに関係する相互作用が、多様で豊富にあることが分かってきた。本研究の磁気ドメインは、分数量子ホール液体と呼ばれる多体の非平衡状態にあるGaAs量子井戸に閉じ込められた二次元電子からなる。今回特殊な発光顕微鏡の実空間、実時間観察を行うことで、この新奇な媒体では完全強磁性と非磁性の磁気ドメインが形成され、電流で励起された際、磁気ドメインは空間的に伝搬していくことが分かった。ドメインの伝搬速度が、核スピン偏極の強さなどいくつかの要因に依存していることが、核磁気共鳴測定などから明らかになった。通常の半導体では超微細相互作用は顕著に現れないことが知られているが、驚くべきことに今回の発見は、超微細相互作用が磁気ドメインのダイナミクスに重要な影響力を持っていることが分かった。

J. N. Moore et al., Phys. Rev. B 94, 201408(R) (2016) Editor’s Suggestion (注目論文)

 

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