超高速顕微鏡により半導体の端を走る電子の波の動画を撮影

~分数量子ホールエッジの空間伝搬を可視化~

東北大学 大学院理学研究科物理学専攻の神山晃範さん(博士課程後期)、遊佐剛 教授、国立研究開発法人物質・材料研究機構(以下NIMS)の間野高明 主幹研究員の研究グループは、強磁場、極低温環境で動作する走査型ストロボスコープ分光顕微鏡を開発し、トポロジカル物質の一種である分数量子ホール液体(注2)のエッジを、電子の波が走る動画の撮影に成功しました。本成果は、電子が作る特殊な状態である分数量子ホール液体の解明と量子宇宙のシミュレーターの開発研究に応用できる重要な成果です。

A. Kamiyama, M. Matsuura, J. N. Moore, T. Mano, N. Shibata, and G. Yusa, “Real-time and space visualization of excitations of the ν = 1/3 fractional quantum Hall edge”, Phys. Rev. Research 4, L012040 (2022).