NewsProject @ja

原子核スピンの状態を顕微鏡で観察 ~分数量子ホール液体と核スピンの相互作用を解明~

東北大学 大学院理学研究科の遊佐剛准教授、ジョン・ニコラス・ムーア博士課程後期学生、国立研究開発法人物質・材料研究機構(以下NIMS)の間野高明主幹研究員、野田武司グループリーダーの研究グループは、強磁場、極低温環境で動作する走査型偏光選択蛍光分光顕微鏡(注1)と核磁気共鳴(NMR)を組み合わせ、半導体を構成する原子核のもつスピン(核スピン)(注2)の偏極状態や緩和時間を高い空間分解能で撮像することに成功しました。本成果は、電子の特殊な状態である分数量子ホール液体と核スピンの相互作用を解明する重要な成果です。

本研究成果は、専門誌Physics Review Letters誌(オンライン版)に掲載され、同誌のEditors’ Suggestion(注目論文)にも選ばれました。

J. N. Moore, J. Hayakawa, T. Mano, T. Noda, and G. Yusa, “Optically imaged striped domains of non-equilibrium electronic and nuclear spins in a fractional quantum Hall liquid”, Phys. Rev. Lett. 118, 076802 (2017) Editors’ Suggestion

本研究の成果は、東北大学とNIMSの共同研究によって得られました。また、三菱財団自然科学研究助成「ナノスケールイメージング法の物性物理への応用」、文部科学省 科学研究費補助金 基盤研究(A)「半導体ナノ構造のおける集団量子情報処理の実証」、丸文財団交流研究助成、東北大学国際高等研究教育機構研究教育院生制度などの補助によって得られました。